天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

サボテン

大船フラワーセンターにて

 メキシコを中心に南北アメリカ大陸に分布。わが国には寛永年間にオランダ船が長崎にもってきた。漢字では、仙人掌、覇王樹など。俳句では夏の季語。


      サボテンの花ながめつつ鱶料理  大島民郎
      切支丹戦趾や覇王樹花ひらく   山本古瓢


  覇王樹のくれなゐの花海のべの光をうけて気を発し居り
                      斎藤茂吉
  窓べには仙人掌の花日覆のだんだら縞やわが夏帽子
                      斎藤 史
  思はざる個所よりいでし仙人掌の一夜の花芽われをおびやかす
                      葛原妙子
  悪なしてやまざる両の手のひらに今日花咲きしシャボテンの鉢
                     岡部桂一郎
  植木鉢を溢れて垂るるサボテンを一鉢買って未来に還る
                     佐佐木幸綱
  スヌーピーのすみかを探す日常をサボテンにまで笑はれてゐる
                      荻原裕幸