天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

紅葉狩(2)

大山寺にて

 相州大山の中腹にある大山寺は、紅葉の名所である。先日、山頂まで登った折には、まだ目立たなかったので、あらためて11月末に訪ねてみた。例年と変わりなく見事な景観であった。
 雨降山・大山寺は、真言宗大覚寺派の寺院で、良弁が開基と伝える。弘法大師が住職として在籍したこともあるという。本尊は鉄の不動明王
紅葉は、大山寺の前の急峻な石段両側の木立が見どころなのである。石段の両側には黒い童子像がずらりと並んでいて、紅葉の色を深めている。


     雲井橋渓になだるる紅葉かな
     明王のまなこ燃え立つもみぢかな
     ふり返る山になだるる黄葉かな
     紅葉の渓のせせらぎ雲井橋
     もみぢ狩落葉に滑る山路かな
     もみづりの木にも美醜のありにけり
     大山の朝日まぶしむ紅葉かな


  遠目には地味なる色の大山に分け入りて会ふ美しき紅葉
  紅葉の渓見下せる雲井橋大山川のせせらぎを聞く
  当てにならぬ天気予報と割り切りて大山寺に紅葉狩ゆく
  大方の天気予報をうらぎりて朝陽に照れる大山もみぢ
  くろがねの不動明王顕はるる紅葉まつりの大山寺は
  くろがねの不動明王にまみえむと紅葉燃え立つきだはし登る
  満員のケーブルカーに堪へて来し大山寺の紅葉うつくし
  紅葉の木立見下し媼らは今日のひと日を幸せと言ふ
  この年の最も美しき黄葉なれ伊勢原大神宮の公孫樹は



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