天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

炎暑雑詠(2)

横浜三渓園にて

 横浜三渓園朝顔展に行ってきた。毎年開催されている。以前に行った時には、洗面器大の朝顔があり、びっくりしたが、今回はそれほどのものは無かった。蓮池では牛蛙がぶおうぶおうと啼いていた。


     渓流の音に眠れる夏座敷
     牛蛙啼きて揺れたり蓮の花
     朝顔の貼り絵おそはる木陰かな
     三重塔をはるかに蓮の花
     蓮の葉に蓮の花びら散りにけり
     牛蛙啼けばまた散る蓮の花
     うつ伏せに朝顔うかぶ盥かな
     をさな児がむすび頬張る蓮の花
     貨車に積むレール幾本雲の峰
     引きあげて回廊に泣く柔道着


  猛暑日に静まる三渓園の庭池の波紋は軒にかがよふ
  牛蛙啼けば動物鳴くといふ幼き孫の後ゆく老婆
  蓮の葉に隠るる池の牛蛙ぶおおと啼けば蓮の花ちる
  名を書きて鉢ならべたり大きさも色も気になる朝顔の花