天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

紅葉狩(13)

大磯地獄沢にて

 大磯高麗山公園を歩いて黄葉を見て来た。特に見所は地獄沢である。沢になだれる斜面の黄葉が見事なのである。ところで、大磯には二か所、おどろおどろしい名のついた場所がある。この地獄沢と血洗川である。血洗川の方には、名前の由来があるが、地獄沢の方は、調べて見ても判らない。


     笹子鳴く道の右藪左藪
     養生の母を思へる紅葉かな
     黄葉のなだれくるがに地獄沢
     銀杏ちる村社にふたつ力石
     七五三村社にふたつ力石


  大磯の谷の横穴古墳群もみぢ明りに暗き口開く
  大磯の山路たどれば突如鳴る津波避難の訓練の声
  山路には聞き分けがたし声割れてひびかひ返る訓練の声
  大磯の黄葉多き山中にいろはもみぢの朱は際立てり