天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

冬雑詠(2)

大磯城山公園にて

 大磯の城山公園、横浜市の舞岡公園、鎌倉の裏山などを歩いた。何の目的もない。ともかく歩いて汗をかくこと。これが健康にはよい。体が軽くなるのである。汗がひいて寒くなると風邪をひくので、服装には注意が必要だが。


     衣を正し村の社へ七五三
     しきしまの大和は柿と青空と
     道の辺にコスモス笑ふ朝日影
     粒ごとに輝く朝の蜜柑山
     櫨の木にコゲラとりつく小春かな
     色まぜて野菊供ふる道祖神
     鎌倉の裏山もみぢ斑なす


  大磯を西に向かへば雪の富士運転席の窓に迫り来
  大磯の城山に見る冠雪の富士は朝日にかがやきて立つ
  機関車に「桃」はピンクの「桃太郎」貨物列車を率ゐて行きぬ
  いつよりか巖となりしさざれ石砂粒ともに固く締まれる
  霜月の朝日をあびてひるがへる八幡宮の白鳩の群
  盃に大きく息を吹きかけて厄割り石に投げつけてけり
  鎌倉の海も大路も一望にわれは立ちたり十王岩に
  宝くじ買はむとならぶ店先に赤く大書の「大安吉日」
  円高の恩恵として洋物のウヰスキー買ふ日々の晩酌
  独裁の成否は人の資質なれ個人の意志が国家の行方