天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

スイートピー

大船フラワーセンターにて

 シチリア原産のマメ科の一年生つる草。花の色には、紅、ピンク、白、青紫などがある。大きな蝶形の芳香のある花を十数輪つける。俳句では、春の季語だが、グリンピースと共に「豌豆の花」の傍題になっている。


     水兵がお茶をもて来ぬスヰートピー  本田あふひ
     仮住の自由不自由スイトピー      山田弘子


  何かしてふつと涙のうかみくれスウヰトピイをつまむとせしに
                     竹久夢二
  誰が挿ししスヰートピーか机上に赤しけふのわが眼に常識となり
                     北見志保子
  傘ささず友が持て来しスヰートピー春の小雨の露にぬれつつ
                     三ヶ島葭子
  駅前の花屋に群れる今はまだ誰のものでもないスイートピー
                     俵 万智