天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

早春の熱海

熱海糸川辺にて

 今年の梅の開花は随分遅れているようだ。一方、伊豆や熱海では早咲きの桜が見ごろになっているという。待ちきれずに一泊二日で熱海に出かけた。宿泊は「かんぽの宿(本館)」をインターネットで予約した。熱海駅前はバス停の改築でごたごたしていた。歩いて糸川に行った。やはり、川沿いの熱海桜は満開になっていた。目白が群れて、人目を怖れず花の蜜を吸っていた。糸川からまた歩いて来宮神社に寄り樹齢二千年の楠を見てから熱海梅園に行った。今年の開花状況は思わしくない。出店の数が二、三軒で例年に比べて随分少ない。白梅紅梅がまばらに咲いていて見栄えがしない。
 熱海の「かんぽの宿」は山の上のある。上の山というところに、東海バスが通っているが、便が少ない。予約した「かんぽの宿」本館の部屋は、値段の割にすばらしかった。大浴場のジャグジーやサウナまた夕食の細やかな味、豊な朝食を堪能した。


     目白きて熱海桜の枝に垂る
     お茶のんで饅頭食べて梅の花
     さかしまに紅梅を吸ふ目白かな


  幅狭き糸川沿ひに咲きみてる熱海桜に目白群れたり
  咲きみてる熱海桜の木末には人目おそれず目白垂れたり
  木末には目白飛びきてさかしまに熱海桜の花蜜を吸ふ
  梅園の出店の主人この年の梅の開花の遅れを嘆く
  上の山きびしき坂を下り来て熱海港(みなと)の岸壁に佇つ
  ジャグジーに体もませてその後のサウナルームにわが汗垂らす
  鯵、山葵、梅干、納豆、味噌汁と塩分多き今日の朝食
  朝食にとりし塩分流さむとペットボトルの水を飲み継ぐ
  無防備に黒きタイツの脚ひろげ電車の席にスマホあやつる
  あづさゆみ春の朝日に居眠ればやがて電車は藤沢に着く