天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

空海

東寺(BSアサヒの放映画像から)

 弘法大師。讃岐出身。15歳の時、母方の伯父について京都へ遊学。18歳で『三教指帰』の原本を著し仏教に入る。30の時遣唐使として唐に留学、青龍寺の恵果について密教を学び、3年後に帰国。高野山、東寺を密教の根本道場として、各地を巡歴した。その足跡と多才はよく知られている。


  遍路路を照らして音もなく青き空海のそら、一遍のそら
                     高野公彦
  空海の御仏像の若くして寄り添ひみれば仄かに笑まふ
                     倉地亮子
  空海の筆の跡にし空といふ字のなかに空気の泡が残れる
                     森岡貞香
  空海の生れしさとの善通寺おだやかにして塔のおもかげ
                     香川 進
  空海の筆の動きを模する今拡がりて来る爽やかさ何故
                     大野利夫