天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

星座

星の誕生

 元来は明るい恒星を群に組み合せていろいろな形に見立てたもので、神人、動物、器具などの名前がついていた。現在は、天球全体を緯度線と経度線で88区画に分けたもので、1930年に国際天文学連合で協定が結ばれた。天体現象の位置を特定するのに役立つ。


  眠りゐる子の息のみがやはらかし冬の星座が星をふやす夜
                    辺見じゅん
  輝ける冬の星座よ愛すべきリアリズムとは夢を糧とす
                    水野昌雄
  レインコートをボートに敷けば降りそそぐ星座同士の
  戦(いくさ)のひかり         穂村 弘


  歳月が奪ひてゆきしものよりも近々とあり冬の星座は
                    横山裕
  思わぬ位置に北斗七星あたらしき星座のごとく太くかがやく
                    影山美智子
  次々に星座をよぎる白鳥らまぼろしの船のへさきのごとし
                    松村敏子
  子と仰ぐ空に星座は満ちており地球外生物会うまで生きよ
                    新川克之


  果てしなき宇宙へ行かむわが死後は地球の重力圏をのがれて
  ロケットに遺骨を乗せて打ち上げよ宇宙の果てをわが墓所とせむ


[余談]宇宙葬: 宇宙空間に散骨する葬式。ただ、ロケットに乗せ
    られる遺骨の量は微々たるもので、散骨の場所も地球周回軌
    道がほとんど。散らばった骨は、そのうち大気圏に落ちて燃
    え尽きるという。地球の重力圏外の宇宙に散骨できるのは、
    実績を摘んだ高名な宇宙飛行士や研究者に限られる。


[注]星雲の画像は、NASAの「ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた写真や
   画像」に数多く掲載されている。
   http://matome.naver.jp/odai/2126276061730822001