天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

神の数式

NHK・BSテレビ画面から

謹賀新年


 NHK・BS1で「神の数式」全4回が連日放映されたのでビデオに取りながら見た。わくわくする内容であった。
第1回 「この世は何からできているのか〜美しさの追求 その成功」
第2回 「“重さ”はどこから生まれるのか〜自発的対称性の破れ
第3回 「宇宙はなぜ始まったのか〜残された“最後の難問”〜」
第4回 「異次元宇宙は存在するか〜超弦理論“革命”〜」
宇宙を記述する数式と素粒子の世界を記述する数式を統合する数式を見つけるまでの百年間の壮絶な研究の歴史を紹介している。超弦理論の十次元が素粒子の世界にあるということとか、宇宙は一つではなく膨大な数が存在するとか、数式だけから導かれる結論には茫然となる。ただ、数式の正しさは、現実世界で観測できる結果とはきっちり整合していることで証明されている。


  光速の及ぶかぎりを宇宙とふ漠たる悲哀のみなもととして
                     古谷智子
  おそらくは今も宇宙を走りゆく二つの光 水ヲ下サイ
                     岩井謙一
  宇宙の形態のことなど考へていとまある日のひと時たのし
                     清水房雄
  科学博の人にもまれて夕づきぬ高ぶる胸は素粒子のこと
                     千代国一
  大いなる管を素粒子飛ぶというさまざまに人は苦しみ生くるに
                     三井 修
  ニュートリノ地球貫通せよ われに花も紅葉もふるさともなし
                     坂井修一


 ブラックホールヒッグス粒子超弦理論などが短歌でどんどん詠まれることを期待したい。