2014-01-23 大寒(3) 飯田龍太が詠んだ大寒の俳句を以下にあげておく。最もよく知られたのは二句目である。 大寒の雲に真近く栖みゐたり 大寒の一戸もかくれなき故郷 大寒の洩れ灯刃をなす家ばかり 大寒の赤子動かぬ家の中 大寒や毛生薬も瓶の澄み 大寒の月ののり出す港町 楠の山から大寒の朝日出る 大寒の薔薇に異端の香気あり 大寒の牛鳴いてゐる萱の中 大寒や夜に入る鹿の斑を思ふ 大寒の夜風吹きゐる善光寺 薄氷(うすらひ)に閉ぢ込められし侘助の淡きくれなゐ 美しかりき