天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

箱根湯本

宗祇の墓(早雲寺にて)

 今年は箱根入生田長興山紹太寺のしだれ桜を見る機会がなかった。例年必ず見に行くのに、まことに残念。その心残りのせいではないが、久しぶりに箱根湯本を歩いて見た。湯本駅側から早雲公園の山に登って早雲寺に入り、白山神社に寄り、早川縁を歩いて湯本駅に帰ってきた。早雲寺の本堂は工事中なので庭園は見ようがなく、北條五代の墓と飯尾宗祇の墓を訪ねるだけに終った。


     工事中二年撞かざる除夜の鐘
     早川の流れに沿ひて初つばめ
     白鷺の沈思黙考春の川
     湯屋めぐり箱根湯本の若葉かな


  史跡北條五代の墓のそれぞれに茶碗、盃 雨露ためて
  早雲寺は工事中なり除夜の鐘二年を撞かぬ梵鐘の垂る  
  脚伸ばし首を曲げたる白鷺の二羽が飛びくる早川の空
  早川の空に鷺飛び河原には西洋たんぽぽ、すかんぽの花
  かたかたとレールの継ぎ目鳴りにけり葉桜に沿ふ登山鉄道