天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

春たけなわ(1)

横浜市舞岡公園にて

 里山の舞岡公園に出かけた。田起こしの済んだ田圃には、蛙の声がからころと響いて田植えの時期が近いことを告げている。山にはまだ八重桜が咲き残っている。燕の姿も見かける。


     田起こしの済みし里山蛙鳴く
     佇めば蛙鳴きやむ田んぼかな
     鳴くこゑに惹かれて探す蛙かな
     通勤の街路樹として花水木
     鳴きつれてバスターミナル初つばめ
     警戒の啼き声空に初つばめ


  里山にこゑを競へる生きものの木には鶯田んぼに蛙
  からころとわが足元に蛙鳴く眼こらせど姿は見えず
  春愁を癒やさむと来し里山の道の辺に咲く紫けまん
  つれあひを早やも見つけし初つばめ駅の広場を囀りて飛ぶ
  アルコール度数四十三なれば量を減らして飲む達磨かな