天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

長瀞

長瀞にて

 秩父鉄道長瀞駅で降りて、川の方に歩いて商店街を抜けると眼下に河岸と岩壁の景色が広がる。荒川上流部の渓谷で、国指定の名勝・天然記念物になっている。県立長瀞玉淀自然公園と言い、全長約6km。ライン下りと特別天然記念物の岩畳が有名で、カヌーやラフティング、キャンプが出来る。
 驚いたことに岩畳の上にはかなり大きなクヌギが立っていて、何本もの太い根が岩の間に食いこんでいる。この当りの名物は豚のみそ漬けと天然氷のかき氷らしい。また秋には近くでりんご狩りが出来るという。さもありなん、去年採れたものであろう、店先に一個200円の大きくて見事な林檎が並んでいた。


     山藤やライン下りにしぶき浴ぶ
     岩畳くぬぎ若葉に房垂るる
     若葉してくぬぎ根を張る岩畳
     岩畳見上げてカヌー漕ぎ来たる


(註)岩畳: 三波川変成帯と呼ばれる変成岩帯が地表に露出しているところ。なめらかな壁面は、南北方向にのびる垂直の割れ目(節理や断層)にそって、岩がはがれ落ちて形成されたと言われている。