天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

神奈川の力石2

藤沢市御嶽神社にて

 藤沢市の三カ所の神社を訪ねて力石を見て来た。詳細なる地図帳と所在地(近く)に行くバス路線図・時刻表が必須になる。近場だからと手ぶらで探すとひどい無駄足になる。身に沁みて感じた。


[立石神社]藤沢市立石
     炎帝がからから笑ふ力石
     炎天下どこまで探す力石

  本殿の縁側石に腰かけて「山神宮」の力石見る
  ラグビーのボールのやうな力石「山神宮」と刻まれてあり
  つやめける「山神宮」の力石幾千人の手に擦(こす)れけむ


 所感:
     龍の吐く水に両腕冷しけり
     DEKAVITAを飲みて涼める木蔭かな

  すぐそこと言はれて歩く歩けども迷ひたるらし未だに着かぬ
  詳細なる地図帳持ちて探すべし聞きて虚しき社(やしろ)の所在


[御霊神社]藤沢市宮前
     見つけたり梅雨の路傍に力石     力石そばに日焼の道祖神

  「大門」の立札下にふたつあり「力石」とふ文字のかすれて
  「大門」の立札下の力石大小合はせ四十六貫
  力石ふたつの横にレリーフの夫婦(めをと)祭神かそか笑まへる
  幅狭き鎌倉古道上の道ハクセキレイの一羽走れる
  前九年の役の往時をしのばせて旗立山の由来記せり
  後三年の役はあまりに遠ければ兜松とふ名のみ残れり


御嶽神社藤沢市遠藤松原
     緑陰やほぞの形の力石
  汗拭きて湘南台にバスを待つ遠藤松原の御嶽神社
  注連(しめ)張れる陰(ほと)のかたちの力石御嶽神社は富士に
  真向かふ


  そのかみの若衆が力競ひけり今注連(しめ)張れる陰形の石


「力石の由来」の説明に次の歌が書かれていた。作者名はなし。
  うみうみ
   とおつみおやの
  古ゆ力競そいし
   ほぞ拝む石