天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

お盆の川崎大師

川崎大師境内にて

 久しぶりに川崎大師に行ってきた。以前に行ったのは、何年前であったか、七月中旬に開催される風鈴市であった。全国から集まった様々な風鈴が売られていて、壮観であった。今回は、境内の力石を目当てに行った。力石を見て詠んだ短歌は別途ご紹介する。
 お盆の時期なのに境内は人影が少なく、静かであった。あちらこちらと見て回って、以前には気付かなかった正岡子規の句碑を見つけた。なんと高浜虚子の句碑と背中合わせに位置していた。


     朝霧の雫するなり大師堂    子規
     金色の涼しき法の光かな    虚子


子規は明治27年と明治33年に川崎を訪れ、大師詣での道すがら多くの句を詠んでいる。他の句の例を次にあげておく。


     川崎や小店小店の梨の山
     多摩川を汽車で通るや梨の花
     麦荒れて梨の花咲く畠哉
     百舌鳴くや晩稲掛けたる大師道


京浜急行大師線の開通は、明治32年のことであったから、明治33年の子規はこの汽車に乗ったと思われる。