天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

神奈川の力石8

大師町若宮八幡宮

 お盆の時期に、川崎市にある以下の四カ所を訪ねた。女躰(にょたい)大神という神社の名前にはびっくりした。全国には他にないはずである。由来を読んで納得した。


八幡大神川崎市中原区上平間
  街路樹の桜木に鳴く油蝉わが道行きをはげますがごと
  それぞれに文字彫られたる四つの石アミガサ事件
  集結の地に
  築堤の陳情せむと編笠の村人たちが集ひし社
  境内のそこここにある丸石のどれもが力石と思へて


[女躰大神]川崎市幸区幸町
     力石探す社の残暑かな
     ぎんなんや女躰神社の庭に踏む
  力石いづこと探す早々とギンナンの散る女躰神社に
  幼稚園は今夏休み静かなる女躰神社に見る力石
  女躰といふ神社の由来読まむとす黒曜石の光れる碑面
  身を呈し川の氾濫鎮めしとふ女に由来女躰神社は


若宮八幡宮川崎市川崎区大師町
     水鳥は酒の異名ぞ百日紅
  酒を競ひ力を競ひし境内に十一の石肩寄せあへり


川崎大師平間寺川崎市川崎区大師町
     風鈴の仲見世通り大師まで
     石五つ残暑厳しき大師堂
  頭上まで持ち上ぐる力競ひたり文字刻まれし「さし石」ふたつ
  抱き起こす力競ひし石三つ「おつたて石」と名付けられたり


所感:
  色刷りの地図見つつ行く川崎の女躰大神、八幡大神
  力石とおぼしき石はデジカメに撮りて帰りて本に確かむ