天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

神奈川の力石12

神奈川区神大寺の日枝神社にて

 東京の公園でデング熱が発生してから、蚊に対して敏感になった。特に力石がおいてある神社などは草木に囲まれているところが多いので、心配になる。その一例が以下にあげる日枝神社。腕が数カ所、蚊に刺されてしまった。以来、蚊よけの塗り薬を購入して家においてあるのだが、出かける際についつい塗ることを忘れてしまう。


諏訪神社港北区箕輪町
  狛犬の尻辺の下の力石楠の古木の根を鎮めたり
  境内を文書片手にうろつけば訝しみ見る町の
  世話役


  どんよりと空は曇れり力石ひとつ見つけて帰ら
  むとする


日枝神社神奈川区神大
     ぎんなんを散らす夫婦(めをと)の大銀杏
     本殿の裏にまはりて蚊に刺され
  奉納の手水の鉢を支ふるか地に埋めたる力石いくつ
  力石踏みて手水を使ひけり狛犬二頭の守る境内


円通寺観音堂足柄上郡開成町
     松並木落ち鮎釣りの酒匂川
     秋風やひとりわが見る力石
  円通寺観音堂の沿革を読みたる後に見る力石
  洪水に流れ着きたる観音を御堂に祀り力石置く
  力石のそばに置かるる三輪車庭の遊具に母子のぼれる
  力石ふるき二つに新しき丸石ひとつ加へられたり
  戦前の力自慢を伝へたり観音堂の上り段そば
  力石二十四貫を持ち上げし若衆幾人この境内に


所感:
     秋風に見つけてうれし力石
  汗しとどかけば身体が軽くなる遠く歩きて見る力石
  バーボンのロック片手に今日撮りし石の景色をパソコンに見る