2014-12-31 雪女(2) 小泉八雲『怪談』の中の「雪女」の話が、多摩川から来ていることを知っている人は少ないのではないか。どこか雪国の伝説だろうと思ってしまいそうなのだが。 雪女郎たましひこめて誰に逢はん虎落もがりの氷(ひ)の 笛を吹く 小川恵子 雪しづく甘しといへば雪女の異形の愛は不意にしたたる 米川千嘉子 ただいまあ雪女ですと雪まみれの可奈子が昼の玄関に立つ 大森益雄 はらはらと降る牡丹雪ゆき女ひとり歩めり傘などささぬ 福永玲子 実はわたし雪女にて候ふと手をつき家を出づる日なきや 阿部 綾