天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

満開の梅林

小田原フラワーガーデンにて

 今年はじめて花満開の梅林に出逢えた。小田原駅から大雄山線飯田岡駅下車、二十分ばかり徒歩で坂道をたどり、小田原フラワーガーデンに着いた。丘陵一面に梅の花が咲いていた。梅の木しかないほどである。正確に言うと、園内約4.2ヘクタールのうちの約2.0ヘクタールの面積に、野梅系、緋梅系、豊後系の約200種480本が植えられている。花の時期をはずすと地味な公園になるのであろう。近くには、県立おだわら諏訪の原公園が造成中であった。


     丘陵の起伏あらはに梅の花
     接木にも花咲く梅のいのちかな
     老人がベンチにならぶ梅満開
     車椅子押してめぐりぬ梅の花


  リハビリと思ひて歩く二十分梅林までの坂曲りたる
  諏訪神社ひとつ残して丘陵の草木を伐る県立公園
  丘陵の樹木おほかた伐り払ひ芝生を植えて公園にする
  満開の梅の花見る公園はガイドにつける老人の群
  老人のむれ引き連れて満開の梅それぞれを乙女が語る
  時折に声をあげたり満開の梅見てめぐる老人のむれ
  満開の梅林横に時を待つ記念植樹の桜並木は
  十年を経て成木の花咲きぬ記念植樹の桜の並木
  如月の三寒四温の温の昼ブラスバンドの指揮に見とれし