天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

松田山の春

松田山にて

 例年のように小田急新松田駅から歩いて松田山に河津桜を見に行って来た。行く途中で小雨が降って来たので、あきらめようかと思案したが、雲の切れ間に青空が見えていたので、そのまま登った。
菜の花も満開。西の空には、雲の間から凍った雪の富士が見えた。行き帰りの小田急線の車内では、竹内薫素数はなぜ人を惹きつけるのか』(朝日新聞出版)の続きのページを読んだ。


     雨を呼ぶ河津桜の花ぐもり
     横雲に頂き見えず雪の富士
     菜の花と河津桜や九十九折
     首痛し山のなだりの桜かな


  小雨ふる桜まつりの山にゐてリーマン予想に囚はれてをり
  早咲きの桜なだるる間隔にゼータ関数の零点想ふ
  満開の河津桜の花の間に白く凍れる富士の頂き
  菜の花と河津桜と雪の富士一望にして斜面をのぼる
  咲き満ちて紅くおもたき花の間に冠雪凍る富士の頂き
  むらさきの小さき花咲くハーブ園横になだるる河津桜
  咲き満てる河津桜の小林を人つらなりて九十九折ゆく
  菜の花と河津桜とつるし雛 さくらまつりの山をたのしむ
  雛吊れる館出づれば菜の花と河津桜の色が目に染む
  菜の花に河津桜につるし雛見上げてめぐる 首痛き山