天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

スモモ

浜松市緑化推進センターにて

 中国揚子江沿岸原産のバラ科の落葉小高木。4,5月に白い花が咲く。6,7月には赤紫色または黄色に熟し、甘酸っぱい。スモモの果実はモモに比べて酸味が強いことが、和名の由来となっている。漢字では「李」とも書かれる。その花を李花(りか)という。なお、西洋すももがプラムである。

  
  家毎にすもも花咲くみちのくの春べをこもり病みて
  ひさしも              原阿佐緒


  精根もつきはてにしと思ふとき庭の一隅(いちぐう)
  李花に明れる            館山一子


  李花が白く咲いてゐたといふ春の日よむかしむかしの
  春が知りたい           前川佐美雄


  梅雨あけむ光のなかに身ぶるひをしつつ李を噛る幼な子
                    木俣 修
  いつせいにすももの花の咲きそろいまぼろしと顕(た)つ
  遠きふるさと            川口常孝


  夕闇をあからませつつ咲く李逃げる場所などがあるはずはなし
                    時田則雄