天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

亀たちの花見

浜松市動物園にて

 桜の花の時期になると、浜松城の周囲は白く華やかに見えるのだが、今年はあまり目立たなかった。それで一日目は浜松市緑化推進センターに、二日目は浜松市舘山寺の動物園に行ってみた。天気はさほど良くなかったが、一夜のうちに満開になったみたいで、見応えはあった。


     甲羅干す亀も見上ぐる桜かな
     花咲きて虎落ち着かぬ往き来かな
     春眠をむさぼる若きヒグマかな
     春雨やニホンイノシシ不満さう


  咲きさかる染井吉野を見上げては青きシートを土手の上に敷く
  岩の上に亀らのぼりて甲羅干し太陽を背に同じ方見る
  太陽を背に甲羅干す亀たちが首を伸ばして見る桜花
  亀たちが並びて甲羅干す岩にのぼらむとして落つるものあり
  首長きアミメキリンが見回せる池の回りの満開の花
  子供らが「嘘だ」と騒ぐミニブタは黒く太りてまだ餌を食ふ