天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

小田原城の紫陽花

小田原城にて

 花菖蒲を期待して行ったのだが、すでに時期を過ぎていて、咲き残った花がまばらにあるだけであった。その代り、城壁の斜面に紫陽花が咲き乱れていた。
小田原城の前身は、室町時代に大森氏が、築いた山城であった。その後の城主は、北条氏、大久保氏、稲葉氏、大久保氏(幕末)と推移し、明治3年(1870)に廃城となった。


     あぢさゐのなだりの空に天守
     紫陽花の下に二匹の仔猫かな
     二千年前の色香や大賀蓮

  
  いにしへの小田原城の生活を垣間見むとす発掘調査
  凶と出でしおみくじいづこに棄つるべき御祓箱の暗き口見ゆ
  紫陽花のなだり背にして写真撮る観光客のぺちやくちや言葉