天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

掃除機

わが身辺から

 箒や雑巾に代って電動式の掃除機が最初に現れたのは、1901年にイギリスのヒューバート・セシル・ブースが発明した時で、それは布のフィルターを備えていた。日本で発売された最初の電気式真空掃除機は、芝浦製作所(現在の東芝)が1931年に発売したアップライト型だった。現在では、自律的に動く掃除ロボットが家庭でも使用されるようになっている。機能によるが、価格は数万円。


  春立てる朝の掃除機からからと鬼を追ひたる福豆を吸ふ
                      青木陽子
  新しきピンクの掃除機ついておいでついておいでと部屋
  ひき回す               佐々木允子


  生ごみでも捨てて来てよと妻の言ふ掃除機さげて近づき
  ながら                 金子貞雄


  軽やかに掃除機の音ひびかせて母の溜めたる淋しさも吸う
                     石垣美喜子
  掃除機に吸込まれしは小さき蜘蛛かく黄昏の床の明るく
                      河野愛子
  追儺の豆を吸ひ込む掃除器の音を悲しむけふのこころは
                      山本友一