酒の歌(9)
日本酒の製造・販売数量の多い県は、2010年度(平成22年度)時点で、兵庫県(約30%)、京都府(約20%)、新潟県(約7%)、埼玉県(約4%)、愛知県(約4%)の順となっている。但し、旨い酒の順位となると別。例えば、山口県産の「獺祭」は近年、大変な人気である。
妻となる娘(こ)の来る近し飲むならば酒は飲め飲め
飲むならば今 尾上柴舟
あさ一合、ひるに一合、よる二合八十八翁元日の酒
土屋正夫
一合の酒に心をあたためる日暮れはしばし漂泊をする
三枝昂之
一つまみ塩を置きたる枡酒の、老いの入口を香(かぐは)
しうせり 高野公彦
砕氷にしづめて冷ゆるしろがねの瓶子を採りて酒を
飲みたり 米口 寛
くちびるの近づくときに匂うかなかすかにゆれてみちのく
の酒 岡部桂一郎
骨箱の前よりおろし来し酒を厨に使ふ 許したまへよ
石川不二子
桂月先生の石に頭より酒注ぎ酒を浴びせて月待つわれら
楠瀬兵五郎