天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

浜松・舞阪脇本陣

舞阪脇本陣の座敷にて

 東海道舞坂宿は江戸から30番目の宿場で、浜名湖の今切渡しの渡船場であった。舞阪の脇本陣は、旧東海道では唯一の脇本陣の遺構という。玄関を入ると受付のおばさんが出て来て、ずっとついて説明してくれた。客は他にいなかった。脇本陣は文字通り、大名行列が宿泊する本陣が満杯になった時に、補助の宿泊所であった。宿の大きな宿屋が兼務した。
 舞阪脇本陣旧東海道に面し右手前方には松並木が、左手前方には新居関所方面への渡船場がある。立派な常夜灯が旧東海道沿いの所々に残っている。まことに良い風情だが、道端で草むしりをしているお婆さんに聞くと、点灯されることは無いとのこと。点灯されると観光客が増えるだろうにと、お婆さんも残念がった。


  舞阪の脇本陣に入りて見る厠に湯殿あまたの座敷
  脇本陣出でてむかひし松並木秋夕暮の舞阪の宿
  常夜灯あれど点らぬ松並木秋の日暮れの舞阪の宿