一首目のように「生活空間」となると身近な感じになる。日常的によく出会う熟語だからであろう。二首目以下と比較すると納得できよう。
ところで空間がどんどん縮んで無になる状況を想像してみよう。われわれの宇宙は、この無の状態からビッグバンにより誕生したという。そこから素粒子、元素、分子などの物質が次々と生まれたらしい。なんとも理解しがたい。
少年の日の記憶還るか植物の生活空間奪ひ合ひのこと
小暮政次
大粒の雨降り出して気付きたり空間はああ隙間だらけと
栗木京子
蓄音機のあたりあえかに空間のひびわれてゆく 歌こそ渇き
井辻朱美
たくさんの眼がみつめいる空間を静かにうごく柔道着の群れ
小島なお