天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

芭蕉開眼の前後(4/5)

本歌取り句の割合と経年変化
 芭蕉の全句(976句)について、本歌取り法(引用法)で作られた発句を調べると116句 (11.9%)ある。あいまいなものは除いたので、最小限といった数である。これらについて堀信夫監修『芭蕉全句』によって、年代順に分布を見てみると次のようになっている。但し、制作年次未詳作品が4句あるが、それらはグラフからは省いた。
 グラフは、本歌取り法(引用法)による旧来の俳句(発句)が、1685-1689をピークに急減したことを示している。つまり芭蕉の作句法に変化が生じたのである。

 

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本歌取り法(引用法)で作られた句数の推移