仙台文学館・短歌講座(2018年度版)
仙台文学館が編集・発行の『小池光 短歌講座』一式(2007年度〜2017年度、全11冊)については、2018-11-02のブログ「短歌の詠み方・作り方」で紹介した。このたび、2018年度の冊子(第12集)が発行された。幸いにも6月の「短歌人」東京歌会の終りに、小池さん(仙台文学館長)から頒布頂いた。
以下では、今回の冊子に現れる短歌作法の要点を抽出・列挙しておく。例歌とともに理解するのがのぞましいが、それは冊子にまかせたい。ユーモアあふれる小池さんの語り口も楽しい。一読を勧めたい。
[参考]仙台文学館の小池光短歌講座については、https://www.sendai-lit.jp/3432 をご覧ください。
◆短歌の材料は、日常生活のなかに無数にころがっている。それを見出すのが
いわゆる「眼力」である。眼のちからを強くして、磨いて、歌っていきたい。
◆短歌のいのちは意外性にある。
◆短歌で飛躍は大事なポイント。
◆表現を怖がらないことも大事。
◆格好いいフレーズが下の句にくる場合は、上の句はサッと軽く流せばいい。
おしゃれはワンポイントにして、あとはサッと流した方が印象深くなる。
◆どういう文字を使うかにナーバスになるのも短歌の楽しみ。
◆少ない材料で簡単に作るのが短歌のポイント。
◆短歌を作る時は、隅っこ、人が見ないところに意外なものを見るというのが
歌になる。
◆具体的に具体的に作るようにすることが大事。
◆短歌は、できるだけ現在形に引っ張ってこられるようにする。今現在のことは
強い。昔のことは、弱い。
◆短歌はどこかで言い切ることが大切。
◆「我」は、100%平仮名の方がいい。「我」と漢字で書くと強く出過ぎるような
気がする。