天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

晩秋の円覚寺

閑話休題
 鎌倉の紅葉もそろそろ始まっているようだ。朝からよく晴れたので、北鎌倉の円覚寺に行ってみた。門前のもみじは色づき始めたばかり。受付近くに猫が一匹座っていて、その顔の前に紅毛の幼子が手を伸ばして猫の注意を引こうとしていたが、猫は視線をそらして相手になろうとはしなかった。母子の風貌は、中東出身の感じであった。
 受付で入場料をスイカで支払って、境内をいつものコースで歩いた。龍隠庵に向かう階段横に石の観音像が三体、それぞれの思いの姿勢で並んでいたが、前に石蕗の花が咲いていてほほえましかった。龍隠庵の庭から円覚寺全体を見回してみたが、紅葉の場所はまだ少なかった。黄梅院の庭の奥に聖観音堂があるが、その前で手を合わせる紅毛の幼子がいた。受付横で猫の関心を引こうとしていた子供であった。旅行者には見えない。近所に住んでいるのであろう。

     バス停のベンチのめぐり落ち葉掃く
     観音の思索三態石蕗の花

  紅毛のをさな児ひとり手を合はす聖観世音はつか笑まへり
  谷戸ふかく舎利殿しろくしづもれり遠まきにある紅葉の木々

 

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北鎌倉・円覚寺境内にて