天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

戦争を詠むー武器(2/4)

  星の如くB二十九に迫りゆきたちまち落つる戦斗機二機

                         岡野弘彦

  秋津しま上空に機首をあげゆきてひかりとなりし戦闘機ある

                        柴 英美子

  焼夷弾消しし記憶の怪しくもおぼろに遠く朝の飯(いひ)食ふ

                          谷 馨

焼夷弾: 家屋物資の焼失破壊や火炎による人員殺傷の目的で使用される砲弾・爆弾の総称。焼夷剤には油性,金属性および両者の混合物の3種がある(百科事典)。

 

  原水爆必要とあらば用うという耳慣れてきく一つの威嚇

                        窪田章一郎

  水爆禁止訴えざる首相の声伝えつつしきりに侵されている六月の空

                         岸上大作

  核兵器今日はばからぬものの叫び雨季をくりかえす戦いのはて

                         近藤芳美

  核弾頭五万個秘めて藍色の天空に浮くわれらが地球

                         加藤克己

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焼夷弾 (WEBから)