天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

歌人を詠むー子規(2/3)

  二十歳の時より子規を考へて五十年つひに結論はなく

                    柴生田 稔

  三十五で果つれば子規は翁(をう)たらずされど翁たる貌(かほ)を記憶す

                     今野寿美

  あるときは牛乳五勺ココア入菓子パン数個 子規の咳かな

                     加藤治郎

  遠き人子規とおもふに夢に逢ふわが深層の何の思ひか

                     扇畑忠雄

  青年子規・青年漱石 ゆふぐれの大河に入るを見しごとし 草として

                     水原紫苑

  正岡子規その文学の核にふる明治の雪のほのあかりせり

                     伊吹 純

 

雪のほのあかり