天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

みなとみらい

みなとみらい

 今日の産経新聞「俳壇」小沢實選に、次の俳句がのった。
     浮かび來し河鵜を嗤ふ烏かな
これは5月27日に書いたように、清洲城を訪ねた時の嘱目詠である。
投稿してから新聞にのるまでほぼ一ヶ月かかっているようである。


   ふたたびの航海あらじ帆柱に帆をたたみたる日本丸はや
   実態の巌の強さあらざると姉なる人の油絵を見る
   梅雨空に浮かびてひとりさびしめる大観覧車の最高地点
   ひとときのをさな心をなつかしむみなとみらいの大観覧車
   なにごとの情(こころ)のべむと乗りしかどただにめぐりし
   大観覧車

   をさな児が風船ひとつ買ふために乙女しゃがみて絵柄を見する
   風船の紐の束もちたたづめる乙女は空に消ゆべきものを
   休日を女ともだち連れ立ちて悲鳴あげたりジェットコースター
   汽車道から大桟橋へはじめての水上バスにゆられゆられて
   「海龍」とふ中華模様に彩られ水上バスは運河にうかぶ
   日曜の水上バスに仰ぎ見る午後十三時の大観覧車

      屋上の足湯にいこふ浴衣かな
      面舵の水上バスに鯔とべり
      鰡とぶや水上バスは取舵に
      客船の黒き煙突梅雨の空
      噴水や水の女神の背丈まで