天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

白鷺

 まったくけしからん! 毎朝、東西線大手町駅ホームの自販機でペットボトルの水を120円で買って九段下の会社に通勤するのだが、今朝は、金だけ取られてボトルが出てこなかった。相談するところも判らず舌打してあきらめた。もうここでは買わないことにする!
北原白秋の詩歌における言語感覚には、惚れ込んでずいぶん読み込んだものだが、それを継承している現代歌人に高野公彦がいる。新しい歌言葉の開拓にも熱心。
   梅干のすっぱぬかれて困ること心に持たぬ人なしといふ
   夕空のあかねも藍に暗みつつふるさとは父のこゑ母のこゑ
   母亡くて石臼ひくくうたひをり とうほろ、ほほう、
   とうほろ、ほいや
彼は、白秋系の結社「コスモス」の選者・編集者である。現代に応用した白秋の歌感覚を学ぶつもりで、休日には彼の文庫版歌集を持ち歩いて、なにかと目を通している。


   秋風に吹かれて立てり池の面に気配消したる一羽白鷺
   ほどほどの大きさの魚狙ふらし白鷺立てる池の飛び石
   首伸ばしアッといふ間にくはへたる小魚光る白鷺の嘴(くち)