天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ぎんなん

みどりなす風がささやく円覚寺惚けたる母にやさしくあれと

[評] とかく惚けたる者には、いらいらさせられて心落ちつかないものである。円覚寺の緑なす風に吹かれていると、惚けたる母を大事にやさしくしなさいという思いがわいてきて、自分に言いきかせているような心情がでていてよい。           藤岡武雄
                            

        素手に拾ふ銀杏臭きをみなかな
        片蔭に外人ふたり幕の内
        献木の陰のベンチの三尺寝
        雲ゆきて西日かげらふ茶室かな