天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

 十二月の短歌人・東京歌会は、毎年題詠だが、今年は「指」。通勤途上、国際ロボット展への往復途上で次のような歌を作ってみた。この中からどれを詠草として提出するか。

   ヒロシマは親ゆび小ゆび薬ゆび人差しゆびも中ゆびも溶け
   思はざる力ありけり赤き児は人差し指をつかみはなさぬ
   指先の力加減に持ち上げてわが口元へカップジュースを


 街路樹の銀杏が空も大地も黄金色に染めて、都市の冬は深まっていく。

        調和なす木々のもみぢを称えけり
        黄葉散る音に驚くベンチかな
   おとろふる日にかがやける黄葉を称へてやまず諸鳥の声