天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

舞岡八幡宮

福寿草

 戸塚駅から地下鉄で一駅のところに舞岡駅がある。三十五年前のこのあたりは水田と森林が広がっていた。その頃、農家の庭に建ったアパートに四年ほど住んでいた。ここで長男が生まれたので、春はレンゲ田で遊ばせていた。かつてのレンゲ田にはふるさと村・虹の家とか駐車場ができていて往時の面影はない。奥の山林は里山公園に変貌している。その周辺には、住宅がひしめいている。唯一、舞岡八幡宮だけは昔のまま鎮まっていた。一三0二年に石清水八幡宮を勧請して、八幡宮になった。誉田別命息長足姫命、比竎大神に加えてなぜか仁徳天皇ほかが合祀されている。毎年四月十五日には、湯花(湯立)神事が執り行われるというが、一度も見たことはない。
 公園は谷戸なので丘の起伏に富み山田や池を残してある。ヤマガラコゲラジョウビタキツグミ、鷺、鴫、鴨などの類が四季折々に見られる。湿地には翡翠が現れ、それを撮ろうとカメラの放列ができる。
 三月には、キブシ、ニワトコ、ハクモクレン、コブシ、ハンノキなどが花をつけるだろう。

  福寿草赤き満作咲かせたり谷戸の公園古民家の庭
  谷戸拓き移築になりし古民家にただれて咲ける赤き満作
  里山を公園となす開拓のとどめがたしも建物の群
  建物の押し寄せたればさびしもよかつて歩きし山の辺の道
  遠き日の子をあそばせしレンゲ田にふるさと村の虹の家建つ

        公園に古民家移し福寿草