天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

上賀茂神社

上賀茂神社

 上賀茂神社へは、地下鉄烏丸線北山駅で下車し、上賀茂神社行きのバスに乗った。北山駅から歩いてゆけるものと思っていたがとんでもない。京都は学生時代、隅々まで歩いて知っているつもりであったが、上賀茂にも下賀茂にも行っていなかった。
 上賀茂神社は、正式には賀茂別雷(わけいかづち)神社といい、五穀豊穣の雷神を祭る。この神は、玉依姫が御手洗川で川上から流れてきた白羽の矢に感じて身籠った男児であるという。下賀茂神社とともに山城国の一宮であり、1994年に世界文化遺産に登録された。毎年五月には競馬会神事、御阿礼神事、賀茂祭などが開催される。

  風そよぐならの小川の夕ぐれはみそぎぞ夏の
  しるしなりける         藤原家隆


     神籬(ひもろぎ)の立砂ふたつ春の雨
     上賀茂のさくらに染まる鳥居かな
     女神(めのかみ)の苔の社や花の雨
     国つ神まつれる杜のさくらかな


  霧雨にけぶる河原の草もえて桜並木は花の賀茂川
  上賀茂の馬場の白砂雨にぬれあかく枝垂るる斎王桜
  清かれと罔象女神(みづはのめのかみ)祀りたる
  葵の森の御物忌川


  榊の葉摘みて供ふる岩陰のちいさき天之斑駒(あめのふちこま)神社


  うすあかき花咲く杜にまつられて別雷(わけいかづちの)
  大神(おほかみ)ゐます


  ちはやぶる別雷大神を祀れる森に山さくら咲く
  楢の木の森を流るる川なればならの小川と呼ばれ
  たりけり


  ちはやぶる別雷大神(わけいかづちのおほかみ)
  を祀れる森に山桜咲く