天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ヨットハーバー

ハマナス(上)シャリンバイ(下)

 今日は少し晴れ間がのぞいた。けだるく眠たいので遠出はできない。江ノ島の児玉神社からヨットハーバーへ出て時間を費やす。ヨットハーバー周辺では、ハマナスハマヒルガオ、シャリンバイ、ノカンゾウなどの花を見た。
 ハマナスは北国の海岸に生える野生の薔薇で、夏に大きな紅色の花を咲かせる。稀に白色の花がある。実を梨に譬えた浜梨が訛ってハマナスというようになったとか。ハマヒルガオは砂浜に生える昼顔の一種で茎が長く這う。種子は海流によって運ばれ初夏に花をつける。シャリンバイはバラ科の植物。新しく伸びる枝が車輪のように輪になって出て、梅の花に似た白い花が咲くので「車輪梅」の名がある。秋には実が黒く熟れる。ノカンゾウユリ科多年草。夏に咲く花は黄橙色で、一つの花は一日でしぼむが次々に咲く。


  江ノ島の沖にあそびて引き上ぐるアウトリガーのカヌー真白き
  引潮の浜に白々横たはるアウトリガーの長きカヌーは
  わくらばの落葉散り敷く参道にうすうす点る三つ献灯
  二0三高地の石を寄贈せし横須賀鎮守府昭和拾年
  璽霊山高地の石をつくづくと児玉神社の境内に見る
  勝気・勇智・福運といふ御神徳 児玉源太郎を書に讃へたり
  長雨の後の晴れ間に咲き出でし白めづらしきハマナスの花
  海流に乗り来し種子の芽吹きけむハマヒルガオの茎長く這ふ
  一日の花のいのちを惜しむとも次々に咲く野萱草の花
  草花の名札読まむと近づけどまなこかすめば顔を顰むる
  名の由来たしかめたくて眼をこらすシャリンバイとふ車輪の形
  十人が乗りて掛け声はりあぐる海面掻けるオール八対
  入港のヨット迎へて尾を振れりビーグル犬の白き尾の先
  長雨にけだるき身体もてあまし今宵また呑む芋焼酎


     はつなつの島にぎはしき車輪梅
     ハマナスに白き花あり走り梅雨