天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

夏の北鎌

 今年の短歌人・夏季全国集会は、8月5、6日の二日間、葉山の湘南国際村センターで開催される。初日は午後4時半開始、二日目は午前9時から午後5時半頃まで続く。歌会以外に、どこを見て廻れるか。海水浴なら手軽にできるが、その年でもない人たちが多い。時間さえあれば、三浦半島には、古事記ゆかりの走水、北原白秋の三崎・城ヶ島若山牧水の下北浦(長沢)など歌枕は数多いのだが。遠方からくる人たちでも、初日は朝立ちであろうから、せいぜい4時間があるのみ。二日目を泊まるとしても、翌日の半日程度しか観光には費やせないであろう。おまけに夏休み時期であり土、日なので、湘南海岸は自動車が列をなし渋滞する。レンタカーでも自由には動けない。結論的にいうと、北鎌倉、鎌倉近辺を見て歩くのが精一杯か。夏なので緑陰の北鎌倉がよい。特に円覚寺の墓地には、短歌人の運営・歌人育成に功労のあった高瀬一誌さんが眠っているので、墓参りを兼ねるのがよい。国宝・洪鐘がある弁天堂下方の墓地だが、ここには、木下恵介小津安二郎など映画人や、読売新聞の創設者正力家の墓などがある。東慶寺にも、多くの文人、哲学者の墓があるので見逃せない。

     あぢさゐの風にくぐりぬ解脱門
     十薬や弓矢並べる閻魔堂
     時折に風鈴鳴るや谷戸の寺
     緑陰の木立の上を吹流し


 今日は午後から、短歌人・横浜歌会に出席。題詠「スポーツ」一首と自由詠一首。なかなかユニークな作品があった。いずれ「会のたよ里」で誌上に紹介される故、ここにはわが歌のみあげておく。

  からみあふ足に倒れて足首の捻挫にゆがむサッカーの顔
  裏返る手首の骨の折れたればゴジラはしばし入浴できぬ


 二首目、結句が弱い、肩透かし という意見が出た。かといって、「ヒットが打てぬ」では、当たり前すぎて面白くもなんともない。