天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

照ヶ崎

照ヶ崎のアオバト

 大磯の照ヶ崎は、わが国の海水浴場発祥の地である。そして海水の飲むアオバト飛来の地でもある。アオバトは全身緑色の大型の鳩で、関東地方には4月から11月頃まで山地の広葉樹林に生息する。照ヶ崎では丹沢山地から飛来するアオバトが多く、初夏から秋にかけて、多いときには1日で延べ1000羽以上が観察されるという。右上の写真は、平塚市博物館資料から切り出した岩礁上のアオバトを合成したもの。
 照ヶ崎に並んで大磯漁港がある。湘南海岸のどこにもあるような小さな漁港である。組合の建屋の中を通ったら次のような貼紙を見た。なんと漁場では伊勢海老も採れるのだ。「いせえびは6月1日から7月31日まで採捕、販売が禁止されています。刺網漁は共同漁業権内漁場で操業の事」
 

     生ぬるき缶麦酒飲むさびき
     大磯は子鰯釣りの晩夏かな


  玉垣の割れむばかりに蝉啼けり大磯愛宕神社参道
  大磯の白き渚を馬手(めて)にして海水のめりアオバトの群
  海水を飲みに飛来すアオバトの群に向けたる望遠レンズ
  アオバトの群飛来せり大磯の沖の岩礁に波のたつ見ゆ
  高麗山をとびたち来らしアオバトの群れて潮のむ大磯の浜
  アオバトの群飛来せり初秋の日の照ヶ崎にバーベキューする
  はつあきの港埠頭に座り見るさびきに釣れる子鰯の群
  キラキラと子鰯釣れる大磯の埠頭に立ちて夏を惜しめり