天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ブタクサ

左:ブタクサ 右:アワダチソウ

 土手や空き地に鮮やかな黄色の花が目立ち始めた。帰化植物セイタカアワダチソウの花である。この植物と紛らわしいものにブタクサがある。実物を比較すれば一目瞭然なのだが、次のように項目を見ると取り違いやすい。どちらも北米原産の帰化植物でキク科。日本に渡来したのは、明治になってかららしい。セイタカアワダチソウは、虫媒花であり花粉症の原因とはならない。一方のブタクサは、花粉症を引き起こす。右に載せたブタクサの写真は、故・玉木忠氏の写真集「道南の野の花」紹介のホームページから借用した。

       ブタクサ      セイタカアワダチソウ

 キク科    一年草         多年草
 媒介     風媒花         虫媒花
 開花期    8,9月          10,11月
 茎の高さ   30〜80cm         1〜2m


     えのころや掛け声たかき河川敷
     相模川彼岸に鵙の高啼ける
     蟷螂の若きが泳ぐにはたづみ
     花芒アワダチソウに気圧さるる
     もてあますこの身責むるや鵙の声


  葦原の風なまぬるき相模川金の鱗の鯉跳ね上がる
  この昼に登れる人のありやなし雨雲かかる大山の峰
  川縁に座るこの身を置き去りに新幹線は川上をゆく
  さうさうと芒なびける土手際にアワダチソウの花猛々し
  一日を釣りにすごして帰途につくこの身を嗤ふブタクサの花
  することもなき身と時間もてあまし虫の声聞く宮山の駅
  諸々の神合祀せる宮山にたえだえきこゆ地虫鳴く声
  招霊(をがたま)の木を皇孫のご誕生記念となせり寒川の杜