天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

仕事始め

 今日から出社、実質の仕事はじめである。昼休みに今年初めて靖国神社に行き、社頭掲示の一月の遺書を見てきた。
冒頭に昭和天皇の「社頭雪」と題する次の御製(昭和六年)がある。

    ふる雪に こころきよめて 安らけき
    世をこそいのれ 神のひろまへ


  「安らけき世をこそいのれ」すめろぎの願ひむなしく戦に
  入れり


  一億の母にまされるわが母と遺書に詠みにし陸軍中尉
  静岡県出身にして二十三歳陸軍中尉は死後の階級
  姉一人弟五人の兄弟を祝し励ます遺書のすがしさ
  ふるさとの山河に魂やすらぐと死後を想へりサイパンに死す
  父母に姉に弟五人に書き残す「あの青空で見てゐますよ」と
  恋人か婚約者ならし「よろしく」と遺書の最後に母にたのめる