天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

大寒

上:満作 下:木瓜

 よく知られた大寒の俳句といえば、例えば次のようなものか。
      大寒の埃の如く人死ぬる     高浜虚子
      大寒の一戸もかくれなき故郷   飯田龍太
      
 今年の大寒は一月二十日。文字通り大変寒かった。天気予報と違って横浜は朝から雪がちらつきはじめた。鎌倉の長谷寺では、はや満作と木瓜が花をつけている。


      わが肩に鳴る大寒の白きもの
      大寒の入口出口極楽寺
      水仙の花かぎはしき極楽寺   
      大寒の寒の極まる極楽寺
      満作や一切経のまはり堂
      黒光りせる木瓜の花まはり堂
      紅白の梅咲きはじむ写経かな
      大寒の辻に客待つ人力車
      大寒の波に乗らむとサーファら
      大寒の首より下は湯舟かな


  波待ちてウェットスーツのサーファが腹這ふ海に雪ふりにけり