天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

里山を想う(続)

横浜戸塚区舞岡公園

 免許更新の手続きを戸塚警察署で済ませた後、舞岡公園に行った。昔、この一帯を腰(越)村と呼んで居た頃、白幡が空に舞ったので村の名を舞岡に改めたと云う。乾元元年(西暦一三0二)に石清水八幡宮を勧請して村社を作り舞岡八幡宮とした、と伝える。いくつかの谷戸を包み込んだ里山であった。
以前この地区に住んでいたのだが、当時山林であったところが全て公園に変わっている。周囲には、明治学院大学が出来ていたりして様変わりしてしまった。


      戸塚宿上方見附笹子鳴く
      真空管アンプ展示す冬日
      ヒヨ来たり鎮守の杜をほめそやす
      湧水の口あらはなる落葉かな
      足音を聞けば浮び来冬の鯉
      栗鼠の声澄み渡るなり冬木立
      古民家の竈(かまど)のけむり冬木立
      歳晩の試食して買ふ目刺かな


  歳末もものかは今日も朝早くカメラ構へてカワセミを待つ
  四、五人がカメラを据ゑて鳥を待つ瓜久保池の薄氷の朝
  狐久保瓜久保といふ谷戸ありて木々の梢にひよどりが鳴く
  市の指定名木といふ銀杏には注連あたらしく年をあらたむ
  冬枯れの池に生き餌を求むらしコサギアオサギ水面に映る
  アオサギの飛び立つまでを見てゐたり田畑うるほす里山の池
  古民家の竈(かまど)のけむり立ち出でて小谷戸の里の
  木々は眠れり