天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

俳句でのリフレイン

 先日、詩の原型はリフレインにあり、という話をしたが、俳句については、{藍生}1月新年号黒田杏子主宰の巻頭に例がいくつも出ている。


    葛棚のはたして黄葉してゐたる
    *「して」のリフレイン


    小木の柿九度山の柿日田の柿
    *「柿」「の」のリフレイン


    病歴も句歴も古りぬ都鳥
    *「歴」「も」のリフレイン


    神の旅わたくしもまた旅支度
    *「旅」のリフレイン


    孤愁病愁旅愁老愁都鳥
    *「愁」のリフレイン


わずか17音の世界で、繰返しが多いとうるさく感じることもあり、成功させることはたやすくない。
 ついでに言うと、上の例句で季語の「都鳥」が動くのでは(つまり、他の季語でも置換え可能)という懸念もある。