天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

風光る

菜の花と丹沢(吾妻山から)

 これは春の季語である。南回帰線まで南下していた太陽が次第に北半球に帰ってくると、吹く風が鋭く光るように感じられる。いかにも早春の気配である。



      冬川やごみを纏へるリム一輪
      まほろばの菜の花畑雪の富士


  薄き濃き植生分かれ影なせり雪かがやける丹沢の尾根
  風ひかる睦月の山に目白きてクロガネモチの朱美つひばむ
  かなたには雪の富士山目の前に菜の花畑弁当ひらく