天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ムクノキ

椋の神木

 下曽我の菅原天神社の境内に樹齢推定八百年というムクノキの大樹がある。幹のほとんどが空洞だが、空に亭々と枝を張って、いまだに元気である。


  大いなる虚(うろ)抱きたるムクノキは
  八百年を生き続けたり


 ニレ科の落葉高木。関東以西から九州まで、東アジアの山野に生える。雌雄同株。5月頃、葉が出てくると同時に緑色の花が咲く。10月頃、卵状球形の実が黒紫に熟す。


  たまたまに花をもちたる椋の木の梢は幹にとどかんとすも
                      松村英一