天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

白鶺鴒(ハクセキレイ)

ハクセキレイ

 スズメ目セキレイ科の鳥。海岸や川の下流域、水辺近くの田畑や市街地などに棲む。もともと北部日本で繁殖して、本州中部以南で越冬したというが、湘南では年中見かける。写真のものは稲村ケ崎で撮った。



  行く水の目にとどまらぬ青水沫(あをみなわ)
  鶺鴒の尾は振れにたりけり     北原白秋
                       
  若草はひばりを隠しはつなつの心にわれは鶺鴒を飼う
                   佐佐木幸綱


 白秋作品は良く知られた名歌である。幸綱作品はひばりと鶺鴒を対置させているが、何を象徴しているのだろう。若々しい歌。


      春ふかみ白鶺鴒は浜に舞ふ


  砂浜を発ちては舞へるセキレイの仲間見えねばむなしかりけり
  落ち着きもなく砂浜を飛び歩くハクセキレイは春を深めて